17.《始めも終わりもない明日》
ScenePlayer:鶴賀谷氷影 / Place:UGN・A市支部
GM:最初に告げなければいけないことは、健康診断でキミの体重が5キロ減って外部の医師に「ストレスためすぎです」といわれたことだ。
GM:そんなストレス源の霧谷氏からの電話も落ち着いた夕暮れ。書類仕事は一段落ついて、今日はなんとか定時に帰れそうな気配だ。
GM:支部長席でバウヒュッテの椅子にもたれかかり、ハンカチを目元に当てて呆然と休憩をとるキミの耳に、何となくそのまま居ついた永井の声が届いた。
永井新伍:「鶴賀谷さーん。お茶はいりましたけど。寝てます?」
鶴賀谷:「い……今起きた。(背筋伸ばし)うん、いただこうかな」
永井新伍:「定時まであと1時間っすからねー。あすなちゃんも今日はクラブで遅くなるって言ってましたし、一杯やってきます?」
GM:なお、彼はキミの家に永井君ハウスの建築完了である。
GM:そんな彼がふと目を落としたのは、キミの机に広げられていた人事関連の書類で、この一年のUGNの記録からも、戸籍からも、卒業アルバムからも、紫陽花の存在が綺麗サッパリ消えていることを、その書類は示している。
鶴賀谷:そういえば、永井君ってA市のUGNで働いてる感じでしょうか…?
GM:何となく居ついてる
GM:けど別に給料は出てないな!
鶴賀谷:ただ働きさせてる!!
永井新伍:「……紫陽花ちゃん、ほんとにいなくなっちゃったんですねえ。悪魔の証明みたいな気がするけど」
GM:働いてるとはいってない!!
GM:たまにお茶出して普段はバイト雑誌めくってる
鶴賀谷:アッハイ お茶汲んで飲んでるみたいな…マスコットみたいな…?
GM:なんかよく遊びに来てる一般人 みたいな……
GM:研究員組にはよく声かけられてる
鶴賀谷:紫陽花ちゃんは霧谷さんも覚えてない感じでしょうか
GM:あとあろえが垂涎しながら採血してるのは見たことあるかもしれない
鶴賀谷:なるなる
GM:あっ、覚えてないですね
鶴賀谷:怖い!!
鶴賀谷:ふむふむ
GM:紫陽花を覚えてるのはPCと永井君だけです
GM:あろえの垂涎っぷりにさすがの民雄もどん引き
鶴賀谷:「紫陽花ちゃんの事霧谷さんも覚えてなかったしね」
永井新伍:「なんか、……こないだまでみたいな違和感、感じにくくなってんですよね」
永井新伍:「いないのはそれがそれであぁ違うんだなって思うんですけど」
永井新伍:「でも、意識しないとわかんないって言うか……」
GM:彼は首をかしげながら、書類を一枚手に取る。守宮あやめの資料。彼女に類縁の親戚はおらず、そして引き取る姉は当然いない。
鶴賀谷:「それってつまり。いないことが自然になりつつあるってことかな」
永井新伍:「ですねえ……そうなのかも。あ、いないんだなって思う頻度も、こういう書類見ないとって感じですし」
GM:肩を竦めて書類を机に戻した彼は、その下の書類に目を瞬かせる。
GM:それは彼自身に関する書類。別の支部──というよりも、かつてキミが所属し、《神の御言葉》も所属していたUGN支部から取り寄せた資料。
GM:記憶操作がきかないことに始まり、抗レネゲイドウィルス反応が異常なまでに強いこと、それどころか風邪も引かない・インフルエンザにもならない・肺炎にもならない・虫歯もない……あらゆる外体の侵食に対して影響を受けない、特異体質という記録。
GM:なお、19の時に1年間の入院記録があるものの、交通事故が原因で、輸血まで体が拒否ったせいで長引いた模様。
永井新伍:「……鶴賀谷さんのエッチ♥ なに調べてんですかー」
鶴賀谷:「そっかあ……。」せつなげ。 「なおさら、僕らが彼女の事を覚えておかないといけないよな……。」
永井新伍:「鶴賀谷さん、ちゃんと日記つけておかないと」
鶴賀谷:「虫歯ないのいいなあ……。」「そりゃ調べるよ、君の体質だいぶ珍しいしね」
永井新伍:「あすなちゃんにちゅうしたでしょう、鶴賀谷さん。あすなちゃんも虫歯あるし」
永井新伍:「らしいですねー。風邪引かないのは馬鹿だからじゃないんですよ(胸はり)」
鶴賀谷:「ちょ、ちょっとずつつけてる……(三行日記)」
永井新伍:「僕は1行日記つけてますよ!」
鶴賀谷:「(ハッとした顔)そうかそのときに……!というかなぜ君はその現場を知っている」
鶴賀谷:「(胸はりを見てああ…散々言われてきたんだろうな…と思ったけど言うのはやめた)」
永井新伍:「えっ、だってスゴイしてそう」
永井新伍:「赤ちゃんの時だけじゃなくてもう毎日大きくなってもしてそう」
鶴賀谷:「おっえらいね(褒めて日記を伸ばそうとするタイプ)」「まあ君も彼女を覚えてるうちの一人だし、この世界のこと覚えておいてほしいな」
永井新伍:「毎日やると結構楽しくなりますよね。日記の話ですけど」「ええ、もちろん。これでも結構記憶力ある方ですし……あ、そうだ」
鶴賀谷:「ええ……想像だった……。まあ、たまーーにするけど……もうその話はいいじゃないか」
永井新伍:「なんとなく通ってましたけど、そろそろおれも貯金やばくなってきたんで。血もめっちゃ抜かれましたし……(遠い目)」
永井新伍:「そろそろまた仕事探そうかなあって思ってんですけど、なんか紹介してくれません?」
鶴賀谷:「どんだけ採血されたんだよ……。それはさて置いて」「君がここに通いっぱなしになったもんだから逆にタイミング見失っちゃって遅くなっちゃったけどさ」
鶴賀谷:「ここで働くってどうかな?事務員も人手不足なんだよね」
GM:そんな誘いに、彼は目を瞬かせた。
永井新伍:「え」
鶴賀谷:「給料も安定してでるよ~!」
永井新伍:「おれ、日商簿記もといっく? も英検も持ってませんけど……いいんスか?」
永井新伍:「あっ、秘書検なら持ってる! 前の職場でとっとけって言われてとったんで!」
GM:事務方主任:一式孝人
事務方担当:迫山・結川
ですね
GM:いいなあ……部下あり主任……
鶴賀谷:「秘書検持ってるんだ!?意外だなあ」
鶴賀谷:「詳細は一式さん(夫)に聞かないとだけども。君ぐらいのたくましさならどうにかなるんじゃないかな」
永井新伍:「一応。会社が金出してくれたんでとりました!」
永井新伍:「……じゃあ、お言葉に甘えて。えっと、履歴書明日作りますね。あ」
永井新伍:「鶴賀谷さん、お願いが一つ」
鶴賀谷:「よっしゃよっしゃ。こちらとしてもありがたいね。話は通しておくから、履歴書はよろしくー」
鶴賀谷:「ん?なんだい?」
永井新伍:「入社の時の保証人、お願いします(サムズアップ)」
鶴賀谷:「あー……(そうだったなって顔)」「僕以外いないか。うん、頼まれたよ」
永井新伍:「やったね、ありがとうございます! 兄ちゃんにも報告しとこ」
永井新伍:(メルアド一方的に奪った顔で)
鶴賀谷:「こちらこそ、よろしくー。(まだ兄ちゃんなんだ……。)」
永井新伍:「はい! 鶴賀谷支部長、よろしくお願いしますね!」
GM:新たな一員をくわえたとしても、本部すら知らない欠員のかわりになどなることはない。
GM:それでも再び日常はゆっくりと回り出し、今日も早川氏は遅くまで残業し、あろえは支部長への敬語を知らず、一式氏は部下の二人と和気藹々と仕事を進め、掃除のおばちゃんはトイレを綺麗にしてくれる。
GM:何かが終わったとしても、何かが始まったとしても、粛々と日々は続いていき、
GM:本当は何も終わっていなくて、何も始まっていないのだ。
GM:この日常という日々は。
GM:というところでシメで!
GM:後なければ完エピいきますが
鶴賀谷:あっあっ兄ちゃんの目アドだけ教えてもらいたいです!
GM:赤外線でピーしたよ!
鶴賀谷:ありがとう!
GM:昔「その携帯、紫外線出る?」「出る~」って言ってた女子高生二人組を思い出した
GM:紫外線でちゃダメでしょ
鶴賀谷:紫外線ww
GM:なお1ヶ月くらいしたらメアド変更するけどうっかり一括送信でメアド変更のお知らせを送信してしまうゴスペル
GM:永井から「わかった、変更しといたよ!」って返信が来て「しまったああああああ」ってなるやつ
GM:ではでは
鶴賀谷:ドジッ子ゴスペルが加速している…!
GM:最後のマスターシーンいきますねん