21.長生きしろよ
ScenePlayer:山田昭子 / Place:喫茶店
GM:そろそろ桜が見頃になる小春日和。キミはまた友人と待ち合わせた喫茶店の窓際の席に陣取り、ぼんやりと外を眺めていた。
GM:友人からは少し前に連絡があった。家を出ようとしたら洗濯機が吹っ飛んだため、1時間ほど遅れるそうだ。
GM:1時間。仮住まいのホテルに戻るには少し足りない時間。結局キミは喫茶店でぼんやりと時間を潰すことにする。
GM:今日の予定は友人に協力してもらって家探し。……この時期だ、少々高い物件になってしまうかもしれない。
GM:キミの身柄はA市に預けられている。ソレを証明するかのように、報告の電話の向こう、霧谷はキミをミス日本と呼んでいた。
山田:(「写メくれ」と返信した模様)<洗濯機が吹っ飛んだ
GM:(「やべえよ」と淡だらけの玄関が送られてきた。)
GM:http://cleaning-kyubin.com/wp-content/uploads/2014/08/s44.jpg
山田:「やべえな(独り言)」
GM:と、キミの携帯が鳴る。
GM:着信はキミの母、山田静代。
山田:「お、おお、はいはい」
山田:でますよ
山田静代:「ちょっと昭ちゃん、何しとんがや? 仕事おわったん?」
山田:「あ、あー。ごめんごめん、ちょおっと人手足らないとこに回されちゃって」「まだしばらくは」
山田:嘘は言ってない
山田静代:「ほったら連絡しょーばねえ。せばあんた、なんの仕事しちょうの」
山田:「忙しかったのー。ん、仕事?秘密結社秘密結社」
山田静代:「まーったそったらことぉ……由佳ちゃ以外に友達おるんかて」
山田:「フィンランドとか飛ぶ。友達は……こないだ出来たよだいじょうぶ」
山田静代:「またフィンランド行く前に一度顔見しよぉ。父ちゃんこないだ屋根けんおっちょってんよぉ」
山田:「ええー?何してんのお父さん」
山田静代:「雪掘りン時よぉ、もっこ屋根ンおいちょいてんよ。取り行ったらつるーってば」
山田静代:「あんたんあいとうがってんよぉ。一日戻ってこれんかぃね」
山田:「うーん帰りたかったんだけど、ちょっとしばらく抜けれなさそうなんだよ……」
山田:「お大事にっつっといて」
山田静代:「気ィよわなっちぇんよ、日帰りでもかまんねっすけよぉ」
GM:……電話の向こうで母はしきりに帰省を促してくる。
山田:「……掛け合ってはみるぅ」
GM:キミはもちろん掛け合っても無駄だと言うことを知っている。
GM:だってキミはこの町を離れ帰省したとたん奇声をあげて爆発四散する運命を課されてしまったのだ。
山田:そんな運命はちょっと
GM:間違ってないやろ
山田:もうちょっと綺麗にして
GM:だってキミはこの町を離れ帰省したとたん奇声をあげて爆発四散するよう、システムに寄生される運命を課されてしまったのだ。
山田:( ˘ω˘)
GM:死が美しいものだなんて幻想だよ(石田声)
山田:帰れミスター意味深
GM:ともかく、キミの日常は何も変わらないようでまったく違ったもになった。
GM:もの
GM:キミの肌は温かいし、おなかは空くし、トイレだって行くし、眠くなるし二度寝だってする。
GM:けれどキミはもはや人ではなくて、このシステムに生かされているだけのアレだ。
GM:──《命の別名》/ロータスは、キミが寄生するシステムを破壊したいのだという。
GM:そのシステムの崩壊がキミの死を意味していることは間違いない。
GM:だからキミはここに、改めて日常の守護者としてとどまらざるを得ないのだ。
山田:「……なんかあれだ、」「いつも親不孝でごめんねー」
山田静代:「……もう、わかっとんならはよしね」
山田静代:はよしね→はやくやりなさい
GM:そんな呆れ声と共に、通話が切れる。
GM:(母は山田より早い)
山田:わろた
山田:「うぃっす」「がんばるわ」
山田:って切れた電話を見て
GM:……と、キミの携帯が再び鳴る。
GM:LINEに写真添付。
GM:「すまん被害拡大した」
http://i.gzn.jp/img/2008/04/15/sony_miami_bubble/1207064686046.jpg
GM:……これもキミの日常だろう。
GM:キミは泡の始末の手伝いに、喫茶店の席を立った……
山田:(熊のプーさんの絵文字を送る)
GM:プー様の陰謀だったか
山田:(まー、)(生きてりゃまた会える会える)
山田:(だから、わたしがわたしをどーにかするまで)(長生きしてくれよ)
GM:うまい
山田:とか考えながら手伝いに行くか
GM:では手伝いに行って泡まみれになって〆やで!
山田:あい!