11.《やがて記憶という名の雨》

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シーン:《やがて記憶という名の雨》 / SP:なし / 場所:???

GM女は死んでいる。
GMそこはとても暗い。
GM外のほのかな明かりなど、花のはなつ光など、届きもしない。
GMぴちょりとどこかで水音がした。
GM女は死んでいる。
GM糸のようになった腕は戻らぬまま。
GM胸にあいた穴は閉じぬまま。
GM眼は虚空を見つめている。
GMもう一人の女がいる。
GMその死体を見つめている。
GM死んだ女の頭から、とろりと何かが溶ける。
GMここに光があれば、色を把握する光があれば、その暗黄濁の正体を知れたかもしれない。
GM死んだ女は思う。それは電気信号に過ぎない。そんなものは走らない。それでも思う。
(「訪れる夕暮れ。
(「夜の帳の中に凛と立ち。
(「明日の夜明けを、未来を信じられる強さを。
(「あの人に。あの子に。そして。
(「この子に。
(「あの子が未来へ続きますように、
(「いつか、どうか。
(「朝菜。キヨさん。
(「…………この子の名前は、
GMそして、女の思考は途切れる。
GM見つめる女は笑う。
GM……赤子が泣く声が、した。