11.《やがて記憶という名の雨》
ScenePlayer:なし / Place:???
シーン:《やがて記憶という名の雨》 / SP:なし / 場所:???
GM:女は死んでいる。
GM:そこはとても暗い。
GM:外のほのかな明かりなど、花のはなつ光など、届きもしない。
GM:ぴちょりとどこかで水音がした。
GM:女は死んでいる。
GM:糸のようになった腕は戻らぬまま。
GM:胸にあいた穴は閉じぬまま。
GM:眼は虚空を見つめている。
GM:もう一人の女がいる。
GM:その死体を見つめている。
GM:死んだ女の頭から、とろりと何かが溶ける。
GM:ここに光があれば、色を把握する光があれば、その暗黄濁の正体を知れたかもしれない。
GM:死んだ女は思う。それは電気信号に過ぎない。そんなものは走らない。それでも思う。
女:(「訪れる夕暮れ。
女:(「夜の帳の中に凛と立ち。
女:(「明日の夜明けを、未来を信じられる強さを。
女:(「あの人に。あの子に。そして。
女:(「この子に。
女:(「あの子が未来へ続きますように、
女:(「いつか、どうか。
女:(「朝菜。キヨさん。
女:(「…………この子の名前は、
GM:そして、女の思考は途切れる。
GM:見つめる女は笑う。
GM:……赤子が泣く声が、した。