20.《嘘の代償》
ScenePlayer:守宮紫陽花 / Place:喫茶店
どどんとふ:「一式」がログインしました。
GM:一式ィ!
紫陽花:一式さんにしめられるのか
GM:あの島での騒動が終わり、キミは日常に戻る。
一式:ごめん!!!ごめんって1!!
GM:妹は連絡が取れなかったことに対してどう思っているのか……キミが島から帰って来たとき、おずおずと、誰が来たのかを確かめるかのように、扉のむこうからそうっと顔をのぞかせていた。
GM:キミと目が合い、彼女が浮かべた笑みがキミの目に焼き付く。
GM:それはどこかホッとしたような、それを恥じらうような、戸惑うような。
GM:そんな笑みと共に、キミの日常は戻ってきた。
GM:夏休みの残りはまだ、ある。
GM:桐哉とは顔を合わせていない。
GM:UGNの支部にも、顔を出していない。
GM:夏の残り香の残照。
GM:キミは夕方の買い物に出かけて、珍しく人のはけた商店街を歩く。
GM:ショウウィンドウに、夕日に照らされてキミの横顔が映る。
GM:その横顔と、目が合う。キミはふと歩を止め、ショウウィンドウのガラスに映るキミの顔を見た。
GM:キミの顔に、妹のような笑みは浮かばない。
GM:あの日となりにいたはずの、……
GM:あの時、キミはなにを思って、何をして、そして何を失ったのか、それとももともと持っていなかったのか、それもどこか残照に照らされて白くかすんでいる。
GM:そのキミの後ろに、人影がさした。
紫陽花:「………、」ぼんやりとガラスに顔を映してたけど、じゃあ振り返りますよ
霧谷雄吾:「やあ、ひさしぶりだね。」
GM:そこに立っていたのは、普段電話でしか会話しない相手。
GM:UGN日本支部の支部長、霧谷雄吾。
紫陽花:「……おひさしぶり……です」
紫陽花:わあ……こないだ昇華した人だ……
GM:どこか疲れたような顔ながら、相変わらずのパリッとしたスーツでキミに軽く手を上げる。
GM:こないだ思いを振り切った人だよ
霧谷雄吾:「その後、調子はどうだい? 鶴賀谷君から報告書はもらっているけれど」
霧谷雄吾:「由良島では随分大変なことが起きていたようだね」
霧谷雄吾:「虹を呼ぶ花《ハイドランジア》、キミの口からもいろいろと話してほしいと思ってね」
紫陽花:「私は……変わりなく」「…………ちなみに、報告書、には、どんな風に?」きゅっと握り拳を作って
GM:どんなふうに書いたの?>鶴賀谷
紫陽花:>>>突然の振り<<<
鶴賀谷:何が出るかな何が出るかな~♪って雑談に打とうとしてたのにwww
GM:>>>パス<<<
GM:行ったぞ支部長! 受け取れェ!
鶴賀谷:墨で休もうとしてたらパスきちゃったやつだ…!
紫陽花:おじさん真っ黒になるで
GM:よし吊ろう
鶴賀谷:紫陽花ちゃんの能力で黄泉帰り発動しちゃったみたい・でも結局蘇った影は消えちゃったね と
GM:頑張っておじさん黒塗りするぞ~~
GM:わりと正直者おじさん
鶴賀谷:GMが黒塗りしてくる、狼っぽい
GM:アレッわたしGMだから確白なんですけど
鶴賀谷:アレッ
GM:では
霧谷雄吾:「おそらくキミが口を重くしている原因の報告もしっかりとね」
鶴賀谷:でもー本人はほかの人のためと思ってやっただろうし、たぶんすごい反省してるだろうし、許してやって!! みたいな一文もあるんじゃないかと!!補足!!
紫陽花:フォローわろた
紫陽花:ありがとうございます……
鶴賀谷:嘘はつけないけど黒塗りはしない感じで…!
霧谷雄吾:「けれど、あの鶴賀谷君が経過措置を求めているからね。事情をキミからも聞いておきたいと思う。」
紫陽花:「……事情はどうあれ、私は私個人の感情で特異点の力を使い、FHに協力しました」
霧谷雄吾:「我々は死神ではないよ、ハイドランジア。」
霧谷雄吾:「私たちがキミを断罪することは、それはもちろんたやすいことだ。」
霧谷雄吾:「けれど、事情を理解しなければ、それは正しい断罪とはならないし、」
霧谷雄吾:「キミひとりを排斥したからと言って、第二のキミが現れない保証はない」
霧谷雄吾:「大事なことは、悲劇を繰り返さない事なのだよ。判るね、ハイドランジア」
霧谷雄吾:「鶴賀谷君がキミを庇うのは、彼の温情があるだろうが」
霧谷雄吾:「私がキミに事情を確認したいのは、それだけではない。」
霧谷雄吾:「再発を起こさないための対策の為、キミの話を聞きたい。」
霧谷雄吾:「……立ち話もなんだね。お茶でも奢ろう。時間はあまりないがね。」
紫陽花:「……はい」
GM:では、適当な喫茶店に入ってパフェを頼みつつ、事情を説明しろやオラッしてきますが
GM:霧谷の前にはモンブランパフェ、紫陽花の前には八丁味噌パフェが届きました
GM:八丁味噌がソフトクリームの代わりにまかれているよ
紫陽花:んーまあ、細かく心情を話す時間もなさそうだから
・花に黄泉帰りの力があると知って、叶えたい願いができた
・特異点の力を使えば願いが叶えられるとFHの人に言われた
・使ったけど、不完全にしか叶わず、他人に危害が及ぶと解ったから最終的には解決の為に動いた
というとこで……
GM:まかれているよ
紫陽花:「(もぐ……もぐ……)」
GM:シュウマイ食ったりかば焼きさん太郎食べたり八丁味噌食ったり紫陽花グルメリポーターやな
紫陽花:GMの陰謀だ
GM:これが巧妙なGMの誘導だよ
霧谷雄吾:「(もぐもぐ)そうか…(もぐもぐ)」
霧谷雄吾:「……わかった。深くは聞かないが」
霧谷雄吾:「解決の結果、キミが叶えたかった願いは無に帰したと考えてよいね」
霧谷雄吾:「(もぐもぐ)」
紫陽花:「一時の感情に任せて……一式さんや鶴賀谷さんには、とても迷惑をかけて」「願いは、……誰の願いも、叶いませんでした」
霧谷雄吾:「……そうか(もぐもぐ)」
霧谷雄吾:「……今回の事は(もぐもぐ)」
霧谷雄吾:「キミも色々と思い知っただろうし、不問としよう。あとで二人には謝っておくことだね。」
霧谷雄吾:「欲望に身を任せてはいけないよ、ハイドランジア」
紫陽花:「…………手の届くはずもない、夢物語であったら。そんな願いも、持たなかったはずなんです」
霧谷雄吾:[]
霧谷雄吾:絶句してしまった
紫陽花:「私になら叶えられる。その力がある。……この力で変えられるものがある」
霧谷雄吾:「(もぐもぐ)続けたまえ」
紫陽花:「そう、思ったら、……」
紫陽花:「…………それがきっと、身を任せてはいけない欲望、だったんですよね」
霧谷雄吾:「……欲望に正義も悪も、良いも悪いもないよ」
霧谷雄吾:「欲望が無ければ我々はただの人形に他ならない。」
霧谷雄吾:「私たちはいかなる欲望であっても、目をくらませる前にその欲望に理性を持たねばならない」
霧谷雄吾:「キミの能力は……あまりにも大きく、その欲望に勝とうとあがくのは辛いだろう。」
霧谷雄吾:「だが、それでも、キミにはそれを成してもらわねばならない。」
霧谷雄吾:「辛いとは思うが……乗り越えてくれたまえ(もぐもぐ)」
霧谷雄吾:「……ところで、守宮くん」
霧谷雄吾:「この写真の人物を知っているかね?」
紫陽花:「……?」見てみよ
GM:そこで話は終わりとばかりに、彼は内ポケットから一枚の写真を取り出す。
GM:40に近いだろうか。もしかしたら半ばかもしれない。
GM:それくらいの男性の写真。
GM:スナップ写真でも証明写真でもなく、望遠カメラかなにかで人ごみの中のその人物を捉えている。
GM:スッとした目じり。引き結ばれた唇。その面影は幼い頃、キミを抱き上げた人物に似ている……
紫陽花:お……?
GM:そうね
GM:いいや
GM:そう、失踪したキミの父に、よく似ている。
紫陽花:「……え、……え?」
霧谷雄吾:「知っているのかな?」
紫陽花:「あ、あの、確信はできないん……ですけど! こ……この人が、何か?」
霧谷雄吾:「今質問しているのは私だよ。」
紫陽花:「あっ、すみませ、あの、……私の父に。よく似ていると、思って……」
霧谷雄吾:「そうか。わかった。」
霧谷雄吾:「……そろそろ時間だ。」
霧谷雄吾:「くれぐれも、あまり自分を責め過ぎないように。」
紫陽花:「え、あ、……は、はい……」
紫陽花:気になるけどこれは教えてもらえないやつぅ!
GM:伝票を持ってキミの前から立ち上がる霧谷。軽く手を振り、キミを置いて店を出てゆく。
GM:※支払ったとは言っていない
紫陽花:スタイリッシュ食い逃げ
GM:キミの目の前の八丁味噌パフェは半分ほど残っていた。
GM:キミはのろのろとスプーンを取り、八丁味噌を切り崩す。
紫陽花:「(もぐ……もぐ……もぐ……もぐ……)」
GM:※食べたとは言っていない
GM:食べてたァ
GM:パフェの味は、もう、しない。
紫陽花:「(おぇ)」
GM:というところで〆ます
GM:味噌の味はするわね……?
紫陽花:あい!
GM:ではでは