24.《記憶は風と共に》
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神の御言葉《ゴスペル》:「おれは信じていないよ」
神の御言葉《ゴスペル》:「おれも天罰《イノセンス》も、記憶など、ない。」
神の御言葉《ゴスペル》:「我々はRBであり、これはある種の媒体と言えるかもしれない。」
神の御言葉《ゴスペル》:「けれど人間には脳という記憶媒体があり、それを我々は有しない。」
神の御言葉《ゴスペル》:「……我々を我々であると定義づけるのは一体何か?」
神の御言葉《ゴスペル》:「双子が遺伝子としてまったく同一であったとしても、その経験が異なれば異なる人物に育つように」
神の御言葉《ゴスペル》:「我々の思考は、”記憶”に基づいている。」
神の御言葉《ゴスペル》:「だから、おれは永井雄志ではなく、神の御言葉《ゴスペル》だ。」
天罰《イノセンス》:「でも。わたしは、あの子を、子供だと。思うの。」
天罰《イノセンス》:「覚えては、いないわ。」
天罰《イノセンス》:「でも。」
天罰《イノセンス》:「わかるの。」
天罰《イノセンス》:「会いたい。って、そう。思うの。」
天罰《イノセンス》:「あの子に、何か、できるかな。って。」
天罰《イノセンス》:「そう、思うの。」
天罰《イノセンス》:「だから。記憶は。きっと。」
天罰《イノセンス》:「わたしたち、が。この身体に、住みついたとき、から。」
天罰《イノセンス》:「受け継がれて、いくと。そう、思う、の。」
神出鬼没《ドッペルゲンガー》:「……そして、RBは分かれてもなお生きてるんだよ。」
神出鬼没《ドッペルゲンガー》:「まるで、メモリをコピーするかのようにね。」
神出鬼没《ドッペルゲンガー》:「……でも、」
神出鬼没《ドッペルゲンガー》:「……。」
神出鬼没《ドッペルゲンガー》:「……時間だ。そうだろ、神の御言葉《ゴスペル》。」
神出鬼没《ドッペルゲンガー》:「迎えに行こうじゃないか。」
神の御言葉《ゴスペル》:「ああ。」
神の御言葉《ゴスペル》:「おれたちにとって、彼女は天使か、悪魔か。」
神の御言葉《ゴスペル》:「開けてみようじゃないか。パンドラの箱を。」
天罰《イノセンス》:「……最後に残ったのは、」
神出鬼没《ドッペルゲンガー》:「……さてね?」
神出鬼没《ドッペルゲンガー》:「そういうもんは、押し付けられるもんじゃないと思うよ。僕は。」
神の御言葉《ゴスペル》:「ならば、自ら求めに行けばいいんだよ、神出鬼没《ドッペルゲンガー》。」
神出鬼没《ドッペルゲンガー》:「ぅっさいよ。」
神の御言葉《ゴスペル》:「まあ、……見極めようじゃないか。」
神の御言葉《ゴスペル》:「アガスティア計画。機械仕掛けの神《グレートヒェン》。それらの行く先を。」
神の御言葉《ゴスペル》:「……まだ、夜は明けないのだから。」