0.不完全な夏の日
ScenePlayer:なし / Place:海外
《史上最悪の幸運》:「──……聞いてないよ」
《神出鬼没》:「言ってなかったからね。」
《史上最悪の幸運》:「……そうやって、みんな僕をおいていくんだ。《医学博士》も、《お菓子の家》も、……《神出鬼没》まで。」
《神出鬼没》:「──……まあ、愚痴りたい気持ちはわかるよ。だからって何も変えんけどね。」
《神出鬼没》:「お前だってもう17だろ。充分頭角表したさ。……つても、納得はしないかね」
《史上最悪の幸運》:「15だよ。いくつ年間違えてるんだよ。年齢ごまかすの他人にまで押しつけるなよ。迷惑なんだよ。……、頭角がどうこうって言ったって、僕をFHに引き入れたのは《神出鬼没》だろ。無責任の極みじゃないか」
《神出鬼没》:「荒れてんね。気持ちはわからなくないけど、まだ15ならね。けど、もう決めたことなんだよ」
《神出鬼没》:「おやっさんには恩がある。けど、それだけさ。《天罰》や《神の御言葉》、youから、おやっさんはそろそろ手を引いてもらいたいんだよ」
《史上最悪の幸運》:「……《とどめの一撃》にも、」
《史上最悪の幸運》:「違うな。《とどめの一撃》とまた何か、揉めたの。親子げんかも大概にしなよ」
《神出鬼没》:「あれは迷惑って言うより、単に嫌い」
《史上最悪の幸運》:「嫌い」
《神出鬼没》:「クズだし」
《史上最悪の幸運》:「クズ……」
《神出鬼没》:「クズじゃん?」
《史上最悪の幸運》:「……でも、……父親だ」
《神出鬼没》:「悪いが、そこまで思い入れはないね。……コウちゃんや、そんなブスくれたツラすんなよ」
《神出鬼没》:「お前の状況はわかってるつもりだ。おいてくことにも若干の申し訳なさは感じてるよ。だからこうして話してんだろ」
《史上最悪の幸運》:「…………」
《神出鬼没》:「お前の《はた迷惑な天運》/ネガティブシンギュラリティは本当に、制御がきくようなもんじゃないし、本当に皮肉なもんだと思ってるよ。」
《神出鬼没》:「そんでもって、お前がそれを良しとしないこともね。それでもお前は何とかしようとしてる。」
《神出鬼没》:「僕はお前のそういうところ、嫌いじゃないよ。」
《史上最悪の幸運》:「──……僕はまた、」
《史上最悪の幸運》:「また、《はた迷惑な天運》に、負けたのかな。」
《史上最悪の幸運》:「──……そうだよ。僕は、」