29.権利の喪失
ScenePlayer:なし / Place:某マンション
GM:ローテーブルに広げられたA市の地図。点在するバツ印を前に、少年はため息をつく。
GM:室内はいつの間にか沈みかけた太陽のせいで、ひどく暗い。
《史上最悪の幸運》:「――……本当に、うまくいかない」
《史上最悪の幸運》:「《医学博士》も、《お菓子の家》も……もう、いなくなった」
《史上最悪の幸運》:「……。……間違ってない。わかってる。二人とも死んじゃうよりは、きっとずっとましだ」
《史上最悪の幸運》:「……」
《史上最悪の幸運》:(間違ってる?)
《史上最悪の幸運》:(僕は、)
《史上最悪の幸運》:「……もう走り出したんだ。」
GM:独白は喪失の上にポトリポトリと落ちていく。