女：「うえええええ、わああああああん……あっ　あぃだ　あいたいよぉ、とー、とーやぁあぁあぁ」
少年：「ちょ、いてえええ　いてえ潰れるしぬ」
男：「……。」「……こんなことが、あるとは」
少年：「おい、なあ！　見てないで助けるべきじゃねーの」
男：「……ジャームが、涙を流す……とはな」
少年：「えっ、割とあるけど」
男：「……。」
少年：「割とある」
女：「どっ、とうやっあぁあぁああああ…」
男：「……ふ。涙を流す…か…。」
少年：「聞けよ。ていうか助けろよ。」
男：「こんなことも……あるのだな……」
少年：「死にたいんかこのクソ親父」
女：「あぅ、あ゛いだぃよおおおぉおぉ、」
GM：……。………………。…………
神出鬼没《ドッペルゲンガー》：「あの人も爆運だね。いやよく知らんけど。」
神出鬼没《ドッペルゲンガー》：「で？　これが無疵なる石《ハートレスクリスタル》？」
男：「これというのは私の事か？」
神出鬼没《ドッペルゲンガー》：「うわしゃべった。」
男：「無疵なる石《ハートレスクリスタル》というのは都築殿命名だったか？　私は黄泉帰り《フェニックス》の手による。」
神出鬼没《ドッペルゲンガー》：「あァ、うん。それは知ってる。」
男：「記憶を引き出すということに特化している、という意味では、同等かもしれないが。」
神出鬼没《ドッペルゲンガー》：「まァ何でもいいけど。案外適合するもんだね、クリスタルってのは。」
男：「適合したというよりも……支配したというのが正しいだろうな。我々は人ではない。動くための肉体を得ただけの話。」
神出鬼没《ドッペルゲンガー》：「ていうかホント普通にしゃべるね。」
男：「しゃべる口があるならば。」
神出鬼没《ドッペルゲンガー》：「まァ、いいや。名前はどうすんの。そいつは神の御言葉《ゴスペル》って聞いてるけど。」
神出鬼没《ドッペルゲンガー》：「僕が付けてあげようか？　こう見えてもネーミングセンスはある方だと自負してるよ。」
男：「……ちなみに今までつけた名前の一例を。」
神出鬼没《ドッペルゲンガー》：「そうさね。”YOU”」
男：「人称代名詞」
神出鬼没《ドッペルゲンガー》：「そう？　いい名前だと思うけど。いやなら自分で適当に付けな、神の御言葉《ゴスペル》ちゃん。」
男：「……もうそれでいい。」
GM：……。………………。…………
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「さあ、始めましょう。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「世界は今こそ変わります。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「黄昏の世界。朝靄の世界。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「すべては変わります。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「それは救いとなりえるのでしょうか？」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「わかりません。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「でも、わたしは信じます。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「ただ、信じます。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「わたしはその為に創造され、そしてそれを望みます。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「そう。何も変わらない。けれどすべては変わる。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「変わったことを誰も知らないならば、それは変わっていないのでしょう。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「けれど。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「私は、知っています。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「だから」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「世界は、変わります。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「夕暮れに揺れるブランコ。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「崩された砂のお城。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「点滅する街灯。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「迎えに来る、暖かな手。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「……それは夢物語なのです。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「けれど、真実なのです。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「新しい世界を、思い出しましょう。」
機械仕掛けの神《グレートヒェン》：「さあ、――……」