42.《笑》

ScenePlayer:早川桐哉 / Place:自宅

GM:そこはまるで平和そのもののキミの家だ。
GM:あ、侵食値あげなくていいです
桐哉:お、ういういです
GM:穏やかな空が窓の向こうに広がっている。キミはリビングに、先ほどの姿のまま立ち尽くしている。
GM:きぃ、玄関からリビングへの扉が開く。
天罰《イノセント》:「──おかえりなさい。」
桐哉:「…………、」意識も今までどおりでいいのかな。扉の方見ます
GM:あ、いいですー
GM:彼女はゆっくりと微笑む。すぐにパンと手を打って、
天罰《イノセント》:「そうそう、おやつ作ったのよ。ドーナツだけど、お茶はコーヒーがいいかしら。それとも紅茶の方がいい?」
桐哉:はーい<意識 
桐哉:「……帰せよ」「こんなとこに篭ってる暇ねえんだよ」
天罰《イノセント》:「どうして?」
桐哉:「仲間がいんだよ」「夢見てる時間もとっくに終わったんだ」「俺が起こしにいく番なんだよ」
天罰《イノセント》:「……そんなに、血まみれになってまで?」「それでいいの?」
天罰《イノセント》:「桐哉は、最後にちゃんと、笑えるの??」
桐哉:「ああ」「元に戻す。何度も言わせんなよ」
桐哉:「今の状況が一番笑えねえからな」
天罰《イノセント》:「桐哉、まだたくさん方法はあるわ。」
天罰《イノセント》:「この町を出て、どこかで暮らす選択肢だってある。」
天罰《イノセント》:「……。……あの子たちにつきあって、一生を潰すことになるわ。」
天罰《イノセント》:「それは、止めたいの。」
桐哉:眉顰めて聞いて、
桐哉:「……どこかで? この状況放り出してかよ」
桐哉:「それで平和に暮らしましょう?」
桐哉:「できるわけねえだろが!! 町ごと消えて! それで、」
桐哉:「仲間までなかったことにするなんか……できるわけねえだろ」
天罰《イノセント》:「大丈夫。……大丈夫なのよ。」
天罰《イノセント》:「私が、全部、戻すから。死んだ人も。みんな帰ってくるわ。」
天罰《イノセント》:「だから桐哉、何にも泣かなくていいの。怒らなくていいの。」
天罰《イノセント》:「お願いだから、ねえ、桐哉」
天罰《イノセント》:「笑って欲しいのよ。」
桐哉:「なにが、……」
桐哉:「……ダメだ」「全部戻すとしても、それはあの場に戻って、ケリつけてからだ」
天罰《イノセント》:「……それはだめ。」「桐哉、お願いだから、耳を貸して。傷つくばかりだわ。」
桐哉:「安全なとこから書き換えて、それで何とかしたつもりになんてなれねえよ」
桐哉:「……平行線だな。そっちだって耳貸す気ねえだろ」
天罰《イノセント》:「なにも起きていない世界。……そこに戻すの。」
天罰《イノセント》:「何が納得できないの? なにも問題が起きていない世界。桐哉が戦う必要も、《神出鬼没》が死ぬ必要も、ないのよ」
桐哉:「だからそれは、向こうに戻って……」「……戻すだけ戻して、何になる?」
桐哉:「この事件が起きる前に戻るだけじゃ、事態が先延ばしになるだけなんじゃねーのかよ」
とどめの一撃《クーデグラ》:「そこからきっと、やり直せるわ。」
とどめの一撃《クーデグラ》:まちがえたんですけど?
桐哉:っふwwwwwwww
桐哉:おまえええええ
天罰《イノセント》:「そこからきっと、やり直せるわ。」 TAKE2
桐哉:「……だとしても、それは、」「戦ってる仲間から離れる理由にはならねえ」
天罰《イノセント》:「……わかって。……、息子……のように、思っているの。あなたを。だから、傷つくところは、見たくないのよ。」
桐哉:「……お前はイノセントだ。俺の母親じゃない。……その上で、心配されてるんだとしても」
桐哉:「このままここに居る方が、ずっと痛えんだ」
桐哉:「……お前だって、ドッペルの野郎が戦ってるの、知ってたら」「そっち、行ったんじゃねえのか?」
とどめの一撃《クーデグラ》:「……ごめんね。」
とどめの一撃《クーデグラ》:まちがえたね?
とどめの一撃《クーデグラ》:ほんとにごめんねだよ
桐哉:おまええええええ(二回目
天罰《イノセント》:「……ごめんね。」
天罰《イノセント》:「行ったわ。だって、仲間だもの。私をはじめて肯定してくれた、」
天罰《イノセント》:「でも、《神出鬼没》は息子じゃないわ。大丈夫って言われたら──心配でも──任せなくちゃ。」
天罰《イノセント》:「だけど、……ごめんね。」
天罰《イノセント》:「どうすればよかったのかな。私は……私は、どうすれば、キリエになれたのかな。」
天罰《イノセント》:「どうしたら、桐哉にお母さんって呼んでもらえたかな。ううん、呼んでもらえなくてもいい。どうすれば、笑ってもらえたかな。」
桐哉:「……なら、後はわかるだろうが」「俺は戻らなきゃなんねえんだよ。堂々と仲間だって言えるように」
桐哉:「……」
天罰《イノセント》:「桐哉を危険な目に遭わせたくない。桐哉に悲しんで欲しくない。桐哉に、最後は笑って欲しいの。」
桐哉:「人は、ほかの人間にはなれねえんだよ」「死んだら終わりなんだ、普通は」
「……イノセントとして、生きてくわけにはいかなかったのかよ」「あいつらだって居ただろ」

天罰《イノセント》:「私の中のキリエが言うの。もっと、もっと、もっと、もっと、もっと桐哉と、民さんと一緒にいたい、って。」
天罰《イノセント》:「桐哉が大きくなって、小学校に上がって」
天罰《イノセント》:「中学校を卒業して、高校にいって」
天罰《イノセント》:「進学しても、就職してもいい。自分で道を選んで、かわいい恋人なんかも出来て、家に連れてきて」
天罰《イノセント》:「結婚して、大人になって、そうして……そうして、幸せになっていくところを、ずっと傍で見ていたい。って、そういうの。」
桐哉:「…………」
桐哉:「……ダメだったんだよ、”母さん”」「親父も頑張ったけど、それは、適わなかったんだ」
桐哉:「失ったものは、戻らないから」「だから俺は、」
桐哉:「俺は、」「笑えるかは、わかんねーけど」「もう、後悔しないように生きたい」
天罰《イノセント》:「……、…………。」
GM:キミの言葉に、《天罰》は微笑んだまま、眉尻をへにゃりと下げる。目尻から流れた涙が、あの日の見上げる彼女の表情とひどく似ていた。
桐哉:「……」目をそらなさない。あの時よりは険が取れてるかもしれない「……頼む」
天罰《イノセント》:「……、……いや。いや。お願い。お願い、いかないで。お願いよ。」
天罰《イノセント》:「……って、縋れたら、よかったのにね。」
桐哉:「…………まぁ、そりゃあ、聞き分けるわきゃねー……?」
天罰《イノセント》:「……。……行かせたくない。どこにも、ずっと幸せにいて欲しい。それなのに、」
天罰《イノセント》:「私をここまで桐哉に執着させたくせに、キリエが言うのよ。きっと《神出鬼没》もね。」
天罰《イノセント》:「子離れしなさい、なんて言うのよ。」
天罰《イノセント》:「ずるいわよね。」
桐哉:「……、……はん」「ドッペルの野郎は嫉妬だろ」
天罰《イノセント》:「そうかもね。あの子はお母さんに、ずっと後悔してたから。だからきっと、桐哉に嫉妬してるわ。」
桐哉:「…………」合流した時に聞きっぱなしだったあの血縁関係がよぎって、そういう事だったんかなって
天罰《イノセント》:「……桐哉、」
GM:彼女がそっと手を伸ばす。キミの頬に両の手で触れようと。
桐哉:イノセント見つめたまま、それは抵抗しないかな
GM:ひどく冷えた指先。まるでその身体に生気などない。
GM:けれど、キミを見つめる彼女のまなざしは例え偽りでも、欲望に支配されているジャームだとしても、ひどく暖かくて、
天罰《イノセント》:「行ってらっしゃい、桐哉」
桐哉:「…………、行ってくる」
GM:最後に一度キミの頬を撫で、
GM:桐哉、メイン窓へ復帰どうぞ
GM:歯茎を見せて笑って見せたところからでいいよ
桐哉:そんなめっちゃ笑顔にはまだ早いもぅん!
桐哉:じゃあ決意を持って紫陽花ちゃんSロイスにしながら戻ろう
桐哉:「(……きっと、今だけ、になっちまうんだろうけど。 ……ありがとう)」