18.《楽園の扉》

ScenePlayer:なし / Place:過去

「……どうしてわかんないのよ。」
「姉さん、……でもね。」
「いいから、私の話を最後まで聞いて」
「あのね。あなたの為とか、そんなことを軽々しく言う男にろくな男はいないの。」
「……言わないわ。そんな事。」
「取り繕いもしないってこと? ……ねえ、あかり、本当に目を覚まして。少し離れてれば、現実が見えるから。ね?」
「姉さん……、でも、」
「お腹の子のことは、わたしもゆーくんも何とかするから。なんなら鶴賀谷くんも引っ張り出すわよ。」
「……違うの。姉さんに、迷惑を掛けられないとか、そういう事じゃないの。」
「私、あの人が好きよ。……そりゃあ、姉さんからしたら、ろくでなしなのかもしれないけど。」
「でも……でも。あの人、寂しがりやだから。」
「あかり! もう、本当にやめて。本当に……あかりが幸せになれないよ。そんなの……、」
「私の幸せを姉さんが決めないで。」
「……ッ、……。……」
「私の幸せは、私が決める。」
「……。……あかり、」
「じゃあ、……わたしのために、戻って来てよ。わたしだって、妹と離れるの嫌だよ。」
「……ごめんね。姉さん。それでも、わたし。」
「あの人が寂しそうな顔をするのが、わかっちゃうから。」
「……。……あいつは、」
「私だって、姉さんと離れたくて言ってるんじゃない、けど……でも」
「あの人と、離れるのは。いやなの。」
「……。……」
「お腹の、子は。名前、決めた?」
「? え、う、ううん……まだ、だけど。」
「……わたしが。つけて、いいかな。」
「う、うん。……まだ、半年もあるけど……。」
「ううん、もう決めたから。」
「伶。……レイとも読むでしょ。」
「……あいつに愛想が尽きたら、思い出して。私の事。」
「そうして、絶対、私の所に帰っておいで。」
「アンタは何があったって、私の妹なんだから。」
「……姉さん、ごめんね。ごめんね。本当に、ごめんなさい。……ごめんなさい。」
「……うん。」
「……それじゃ、いくね。姉さん、……元気でね。」
GM女は立ち上がり、荷物を手に、扉を開く。
GMそれは楽園の扉。
GM女にとってだけ、楽園の扉。
GMそして二度と、開くことはない。
GM……数年後、姉は剣を取る。それは、…………
GMあかりちゃんのグラをもらったGMは使わずにいられなかった
鶴賀谷えへへへありがとうございました…
GMこちらこそありがとうございました!!